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大山の日記未満

日記等

5月8日〜5月11日

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5月8日〜5月11日

5月8日

 漫画、絵。あんまり覚えてない。

 サブカルとかオルタナとかそういう安全な雰囲気から一回距離を取りたい。自分はメジャーではないです。というスタンスを辞めて愚直にみじめに売れることを考えてオタクに憧れ、バカ売れする漫画に敗北していく姿勢でいることが重要な気がする。売れてる漫画が良いとか悪いとかそういう次元の話ではなく、それがたぶん自分を乗り越えていく方法だと思う。
 言葉ではなく作品そのもので素直に周りの似たような漫画家や歳上の漫画家からドシドシ顰蹙を買えれば良い。


 LINEで大学時代からの友達と話してたら「おれが生きてる世界、おれが見ている世界でシンプルに目立ちてえんだ」「社会という劇場の中で、おれはモブになるには我が強すぎる」「おれは気狂いに見えるだろう」と言う。ええこっちゃええこっちゃ。昔の勢い変わらずやと思った。
 ただ、どうやって目立つのか、バンドをするのかYouTubeするのか、何をするのか訊いたら、どうやらその方法は特に決まって無いらしく、単純に彼は金髪にして珍妙な服を着て、渋谷のシェアハウスに住んでいる。Twitterのいいねの欄は女の写真ばかり。そんなことでいいのか。

5月9日

 漫画は描いたが絵の練習忘れる。トラック運転手のYouTuberが面白い。トラックをマニアックに語ったり、後は大食いの動画ばかり。昼のしょうもないテレビは食べ物ばかり写しているが、何となくその理由がわかる。無茶なほどの食いっぷりは見ていて何故か気持ちがよい。自分が少食だから憧れるのか。

 トラックを運転する動画でオッサンが、
「あそこに見える、大阪市が多額の借金して作ったゴミ処理場知ってる?」
「はいはい」
「あの、金の玉、一個百万するらしいで」
「まじすか」
 みたいな会話をしていて、いかにも大阪のオッサンの会話というような感じがあってオモロい。

5月10日

 漫画、絵の練習忘れた。Twitterの政治のことが気になり、集中できぬ。真剣に日本のことを考えて、覚悟して政治的な発言をする有名人を、馬鹿な奴らが嘲笑して、余裕の態度を装う。そういう人たちの嘲笑の底には憎悪が流れていて、正しいかどうかはもはや関係がない。何となく周りと同調してネットで韓国や中国を馬鹿にしてきた奴もいるだろう。日本が好きなのではなくて自分が好きなのだ。今までの自分という自尊心を守るために、自分たちに不利益をもたらす政権でも応援し続ける。絶対に自分を疑うことはない。少しでも疑えば、その瞬間、彼らのアイデンティティと築きあげた物語が破綻する。自分なんか捨て去ればいいのに、しょうもない自分というものに未だ拘泥し続ける小心者たちばかり。

 政権が力を持ちすぎて腐敗し勝手な事をやりだすと、まず最初に規制/検閲されるのは言葉で、出版社やマスメディアの中で活動し、言葉を扱う漫画家や作家に危機感を覚える人が多いのは当たり前なのだが、姑息な奴らが「政治ツイートなんかしちゃってるけど金貰ってんのかな?」とか言っている。圧力をかけて監視社会に持ち込もうとしている。

 漫画家は金を貰うどころか、読者が減って人気が落ちるデメリットしか無い。自由に面白い漫画を描く為に真剣に考えている。
 こいつらはアニメとか漫画とか好きなんちゃうんけ?と不思議だ。地元のツレとか自分のフォロワーに全く政治に無関心な人も多少は居るので、あえて色々RTした。

5月11日

 朝、漫画。
 外暑い。スーパーに行くための夏服のパターンが少ない。修学旅行で行ったベルリンで買うた、二人の政治家がキスしているシャツと、ジャージを着て玄関を出ると日差しが強い。
 眼を守ろ、眼は漫画家の財産やからな。とおもてグラサン掛けたら、散髪に行かず髪が長いので、図らずもジョン・レノンのような風貌になり恥ずかしい。

 自分はもうロックだなんだと言うてないし、そもそもバンドもしたことがないのに、何故かロックだったような残滓が至る所にある。大学ではエレカシの宮本憧れ時代があったので一年間、黒い服しか着なかったこともあった。「やれやれ。またロックになってしまったわ」とウンザリしながら奈良駅前の王将で酢豚と餃子を買って帰った。
 夜、絵の練習をする為に真新しい鉛筆を削っているときに何となく横になり、そのまま寝てしまう。情け無しや。ちなみに絵の練習とはやさしい人体解剖図を単に描き写しているだけ。
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